初 診 | X年1月 |
---|---|
主 訴 | 右顔面神経麻痺 |
診 断 | 顔面神経麻痺 |
既往歴 | 交通事故、パニック障害 |
社会歴 | 会社員 |
現病歴 | 昨年7月に仕事のストレスにより仕事中発症。 仕事中は大丈夫であったが、最寄り駅に着いてから症状が出現。 閉眼できず、涙が出始めて、顔のこわばりが気になり、都内クリニックにてベル麻痺と診断。 神経ブロック注射をおこない、薬を処方されるが服用すると気持ち悪くなるので途中でやめる。 息子が通っている整体へ週に2回通い治療を受ける。 3ヶ月くらいで笑えるようになり現在にいたる。 現在は、右眉が上がらない、右口角の動きが悪い、大きい物を口にいれると溢れる、等の悩みがある。 所見:脉状(沈・尺落) 腹診(気戸LR、鼠蹊部LR、右胸脇苦満) 腰背診:C4,5,6,7が狭小 施術・経過: 聴宮、下関、翳風、瞳子髎、迎香、地倉 下垂処置、陽渓・解渓、合谷 |
Sさんは地方都市出身の方である。
結婚後に千葉県に移り住み、夫の転勤で海外赴任していた。
性格は穏やかな印象を受けるが、笑顔の奥にある真の強さが今回の発症のきっかけになったのでしょう。
施術において重要視したことは、整体に通い始めて4ヶ月頃から腰が痛みだしたという事。
その原因が何かを考察したときに1つの仮説がうまれました。
それは、その整体院では「揺らす治療」をおこなっていたということ。
刺激量としては優しいものになります。
しかし、下垂傾向にあるSさんにとって筋肉を弛めるということはかえって負担になったことが考えられます。
よって、弛みすぎたために腰が痛くなったのではないかと推測しました。
これらの推測から下垂処置をおこない本来の状態に戻すことで腹腔内臓の血流を改善。
また、脉をみて反応をチェックすることで体の変化を随時診ながら施術。
30分程度の施術で脈は強くなり、治療後には顔の症状は良くなっていました。
ベル麻痺は、原因不明の特発性顔面神経麻痺のことをさします。
機序としては、循環障害による虚血説、リウマチ説、自己免疫説などの要因が示唆されています。
近年では、ヒト単純ヘルペスウイルスの関与によるウイルス再活性説が有力視されています。
すなわち若い頃に初感染したヒト単純性ヘルペスウイルスが口内炎や口唇炎として発症した後に顔面神経膝神経節に潜伏感染し、感染症や代謝性疾患といった背景因子や寒冷、抜歯、紫外線の暴露、妊娠、精神的・肉体的ストレスなどの誘因により再活性化をきたしてウイルス神経炎に続く浮腫・膨張により顔面神経管内で圧迫を受けて二次的虚血を惹起して麻痺が発症するとされます。
当院では、このことに対して本質を見極めて丁寧に施術をおこないます。
顔面神経麻痺でお困りの方はお問い合わせください。