初 診 | X年8月 |
---|---|
主 訴 | 逆子 |
診 断 | |
既往歴 | 流産1回 |
社会歴 | |
現病歴 | 妊娠32週 |
産婦人科で逆子ということがわかり逆子体操を指導される。
しかし、他に出来ることはないかということで逆子の鍼灸院を探していた。
元々は海外で生活をしていたがご主人の仕事の都合で千葉に越してきた。
現在は専業主婦として男児二人の育児に奔走しているが、朝から兄弟けんかやドタバタと走る音が下の階の人に響かないか心配でイライラするという。そのため日中は家で横になることが多く、子どもを連れての外出は出来ていない。
このような場合において気になる点はストレスでる。
ストレスは対人的なもの、物理的なもの、化学的なもの、生物学的なものなどがあるが、今回は対人的なもの、つまり精神的ストレスが患者にとって大きいものであったと思う。それにより下腹部が張り、胸の辺りが悶々として、胎児の転位が停滞してしまうことに。
このことを中医学では気滞という。
海外で生まれ育った彼女にとって日本の生活環境は酷であり、3年住んでも精神的負担は大きい。日本人にとっての当たり前の環境は全員にとって当たり前ではない。
そして、日本で生まれ育った人でさえも、そのことにストレスを感じているにも関わらず気づいてはいないものだ。
逆子の施術は、単にお灸をすれば改善される時代ではなくなったと私は思う。
そこには、エネルギーの不足、ストレス、消化不良など様々存在しているだけでなく、生むということに対しての恐れなども含まれるのだ。
多くの情報を手にした現代人にとって、あらゆる情報が吉とでることばかりでなく、不安を生むきっかけにもなる。
彼女の場合、胎児が動くためのエネルギーはもっていたが、感情などの影響で動くスペースが作れていなかったと思う。
そのため、自宅から治療院へ来るために子どもを連れ出すこともストレスであることから、自宅での灸とストレスの発散について指導した。
逆子と分かった場合、1回で改善することは難しく、当院では1週間集中して施術を受けていただくことを伝えています。