起立性調節障害により学校にいけない女子高校生

起立性調節障害

2021年11月21日
市川市行徳  S.E  (女性)  高校生  16歳
初 診 X年8月
主 訴 朝起き上きられない
診 断 起立性調節障害
既往歴
社会歴
現病歴 高校に入学し運動系の部活に入部。 部活は朝練があるようで自粛が明けてから毎朝5:30に起きて学校に行っていました。 それから2か月が経った頃から朝練の時間に起きられなくなり、慣れない環境で疲労のせいかと思っていました。 しかし、登校の時間になっても起き上がることができなくなり、起きられても、体のだるさ・頭が重いなどの不調がみられるように。 母には理解してもらえず、怠けている・たるんでいるなどと注意され、起きられるように頑張っていましたが、理解が得られないことが辛く自室でひきこもるようになりました。 ある日、しばらく言葉を交わさなかった母から声を掛けられ「あなたの不調はこれじゃない?」とネットの病気のページをみせられました。 それは「起立性調節障害(OD)」というもので、セルフチェックではほとんどの症状に当てはまっていました。 小さいころから通っている近所の内科の先生に相談したところ、やはり「起立性調節障害かもしれない」と教えてもらい、大きい病院へ紹介状を書いてもらいました。 母に理解されたことでまず一歩前進したと思いましたが、薬が体に合わずできることなら飲みたくありません。 母と治療法について相談していたところ、こちらの鍼灸院のブログを拝見しました。 よろしくお願いします (メール問い合わせより 一部抜粋)

施術・経過

背景

考察

起立性調節障害(OD)が起こった背景を術者、そして患者やその家族が理解することから治療をスタートします。
思春期の1割が発症する起立性調節障害(OD)は特別な症状ではありません。感染症対策や自粛など、社会的なストレスが強くなった昨今では、さらに多くの方がなりえる病とも言えるでしょう。
原因として、人の血液や胃腸の働きは自律神経が支配しています。
自律神経によって活動的に働くことや休息をとることができていますが、自律神経の調節機能が弱くなると自律神経失調の症状が現れます。
自律神経の乱れは現代病とも言えますが、思春期などのホルモンバランスが乱れる頃にも自律神経に変化が現れます。

起立性調節障害(OD)の場合、鍼灸では自律神経の調整をメインに施術を行います。
また再発防止のため、これまでの経緯を十分に把握し、本人がどのような体質であるか。また本人、家族、治療者が正確に情報を得て把握することにより症状の緩解が期待できます。
現在Sさんは鍼灸と漢方を併用し治療を継続しています。
始めは同伴の母の方をみて鍼を心配そうに受けていましたが、終了後は呼吸が楽になり視界の明るさが変わった。頭の重さが減ったなど変化を実感しているようでした。

鍼灸治療を継続して2か月経つ頃には、朝も自力起きられる日が増え、以前よりも朝が気持ちよく動けるようになってきました。
少し遅れてしまった勉強も自主的に行えるようになり、学校にも行けています。
未だに気象の変化や疲労には持ち堪えられない日もあり、調整しながら治療を続けています。
自律神経の不調からくる病は、他者からは見えず理解されないことが多いので、当人は症状と心の辛さを伴います。
一番の理解を得たいであろう家族から突き放されてしまうと子どもは相談する場を失ってしまいます。そして「気が付いてあげられなかった」とおっしゃるご両親も多いですが、身近にいる家族、親、本人、誰のせいでもありませんよ。
一人で悩まずにまずはご相談ください。鍼灸・漢方が力になれるはずです。

施術プラン:自律神経の鍼灸(担当 土田)