胃がんにより胃切除後に腰痛を発症した不動産家の女性

腰痛

2021年11月28日
市川市行徳  F.A  (女性)  不動産経営  63歳
初 診 X年9月
主 訴 腰痛
診 断 腰痛症
既往歴 胃がん
社会歴
現病歴 胃がんにより胃を切除して以来度々腰痛が出現するようになる。切除以前は腰痛に悩まされたことはなかったが、担当医師は専門外のため「過去にそのような相談はなかった」という。整形外科にて検査をしても異常は無く直接的な関係はないらしい。 そのため治癒を目的に整形外科に通ったが改善はみられず、整骨院で電気治療をおこない、マッサージを受けるが改善しない。 常に腰部の痛みを感じており、痛みにも慣れてきたので湿布や痛み止めでどうにかしてきたが、最近では眠れなくなり痛みが増悪しているように思う。 このことを旧友に話したところ「はり温灸治療院カラダノミカタ」を紹介されて来院。 痛みは腰から肩甲骨に移動しており、日によって痛む場所が違うので腰痛なのかも疑わしい。 このようなことは初めてなので、なにかの病気ではないかと心配している。痛みが気になり眠ることが出来ず、不眠気味。眠れない翌日は必ず痛みが増すような気がする。

施術・経過

背景

考察

Fさんは幼い頃に両親を癌で亡くしており、本人も胃を切除したことから病気に対して恐怖感を抱いていた。
これまで健康を第一に考えてきたのに何故だろうと話す。
その背景に経済の自立、離婚、起業でのストレスが大きいのかもしれない。

今回、腰痛を訴えているが胃を切除したショックから心因性の腰痛が発生しているのではないかと考察し鍼灸治療をおこなった。

脉、腹の緊張がそれらをもの語っており、ソワソワ落ち着きがなく沈んでいる。
そのため心身の緊張を解くことを施術を行ったところ、痛みは残るが身体が軽くなり大変驚いていた。
鍼灸治療をしながら会話し、これまで抱えてきたストレスや不安を術者とともに笑うことで軽減することが出来たようである。

Fさんに心因的な問題の可能性があることを伝え、一人の時間を減らし、何かに取り組む時間を設けるように伝えた。鍼灸は受けたいが、時間の面で配慮があるため漢方内科を紹介し、毎日服薬。
鍼灸治療は週1度おこない、2ヶ月後には不眠や不安を感じることもなくなり、一人で過ごすことも不安に襲われることなく億劫ではなくなった。それとともに痛みも消失した。

施術プラン:自律神経の鍼灸(担当 土田)