自律神経失調症による胃腸障害

胃の不調

2021年11月11日
市川市南行徳  H.E  (女性)  webデザイナー  27歳
初 診 X年8月
主 訴 胃の不調
診 断 自律神経失調症
既往歴
社会歴 webデザイナー
現病歴 昨年11月から胃の不調を感じ始め内科にかかったところ異常が無いと言われた。 内科から心療内科をすすめられて受診し、自律神経失調症と診断された。 現在心療内科で処方された薬を服薬しているが、副作用から月経障害が起こる。 胃は多少改善がみられるものの、未だに吐き気や胃もたれが続き、最近はいつ不調に襲われるかの不安感から外出するのも億劫になっている。 所見:脉状(やや沈・滑・尺落) 腹診(天枢L、裏急、中脘P) 局所診(天牖L、翳明L、胸鎖乳突筋L、肩井L、陰陵泉LR) 火穴診:然谷LR、行間LR、少府LR

施術・経過

背景

考察

静かでどこか不安げな彼女にきっかけとして当時を振り返ってもらうが彼女自身に思い当たることはない。
薬の影響もあり脉や体表に現れる反応は不安定であったため、まず火穴診を行う。
話を聴いていくと症状が起こる前は海外に一年間住み、帰国後は専門学校に通い現在の仕事に就いているという。
現在の彼女からは想像できないほど活動的だったことが伺えた。

今年10月に風邪のような症状に見舞われ、喉のつかえ感が残った。
調べたところヒステリー球に似た症状であったがそのうち良くなっていた。
内科にかかっても自分で調べても、結果ストレスと言われるが、ストレスの自覚がなく対処に困っていると話す。
以上のことから交感神経過緊張から胃の不調が起こり、薬の影響や心身の浮き沈みで現在の様子に至ると判断。
自律神経のアプローチと胃の気逆に対する施術を行いました。

施術後、胃部のしこりが未だ残るが圧痛はなくなり腹部の緊張も取れ、自分でも変化がわかるほどになったと驚き、明るい表情で話す本来の彼女。
彼女は「自律神経失調症」と診断されたことがショックであり、明るく行動的な自分を失いかけていました。
自律神経に対する施術も行いますが、病より人を診るアプローチが大切だと改めて感じました。
彼女は薬をやめていきたいと希望していましたが、1度の施術では病は治りません。
なぜなら、病は習慣や性格から蓄積して生まれるので、鍼灸をして一時は良くなりますが習慣のクセでまた元に戻ろうとします。
胃の不調から月経の乱れまで元の状態に戻すには、日々の習慣を変え、定期的なメンテナンスを行う必要があるでしょう。
活動的に働き、自分の好きなことをして生きたい彼女を応援したいと思っています。

施術プラン:特殊鍼灸(担当 土田)