初 診 | X年4月 |
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主 訴 | 無月経 |
診 断 | 無月経 |
既往歴 | アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症(右手) |
社会歴 | |
現病歴 | 初潮は13歳だが高校生の頃にダイエットをしてから大学まで何度か生理が止まる。 そして社会人になってから再度生理が止まり、24歳から婦人科へ通い始めてピルを処方される。 |
無月経とは3ヶ月以上月経のない状態をさす。
その特徴として初経前・閉経後・妊娠・産褥・授乳期における無月経(生理的無月経)、性成熟期における異常な月経停止(病的無月経)、18歳を過ぎても初経が起こらない初経が起こらない(原発性無月経)、月経が3ヶ月以上停止したもの(続発性無月経)などがある。
原因部位に応じた無月経の分類では、視床下部性、下垂体性、卵巣性、子宮性、膣性があり、それらに対して原発性なのか続発性なのかによっても治療法は変わるが、今回の症例は学生時代のダイエットによる影響が考えられ、続発性に属す体重減少性無月経が当てはまる。
患者はこれまで7年ほど生理が来ていないと話していたが、その原因の1つに高校生の頃におこなったダイエットが原因ということが考えられる。
まだ身体が完成されていない頃にダイエットに励むことは、相当な負担をかけるだけではなく、扁桃の弱体化や卵巣ホルモンの分泌異常を引き起こすことになる。
そのため、幼少期のアトピーが軽度ではあるものの再発。また右手の掌蹠膿疱症もこれに属される。
社会人になってから再び生理が止まったが、生活環境が変われば心身への負担は相当なもの。それを飲酒や運動で発散させることは性格や体質を含めて考えなければならない。
その理由として、患者の場合には精神的な緊張が強く出ており、そこに強度のあるボクササイズをおこなうとなると交感神経はより優位に働くからである。
人の身体は細かく診ていくとサインが沢山出ていることに気づくが、今回は天ユウの圧痛やその周辺の細絡をみる限り扁桃との関係は否定できないと思う。
患者の施術目的は、生理がくるように体調を整えること、薬に頼らない身体にすることだが、この場合には全体に対する施術が必要であり、扁桃を病原巣とする内分泌、自律神経系の失調を二次的に起こしているものとして扁桃強化をおこない、生理がくるように整える。