初 診 | X年1月 |
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主 訴 | 左大腿後面痛 |
診 断 | 肉離れ |
既往歴 | 交通事故 |
社会歴 | |
現病歴 | X年12月に関東でおこなわれた国際マラソンに参加。 それから大腿後面(ハムストリング)の緊張が取れず痛みが残っている。 仕事は造園業を営んでおり、脚立にのぼり作業をする際に片足(左重心)になるため負担がかかりやすい。 しかし、20年以上前に交通事故で負傷した右膝(右膝裏に15cm程の傷跡がある)の影響が大きいようだ。 それにより普段から左に体重がかかっているように思われる。 また、10年以上前からはじめたマラソンはフルマラソン、ハーフマラソン共に経験があり、普段も休みの日には30km程走っている。 所見:脉状(緊) 腹診(天枢LR、中注・大巨L、胸脇苦満R) 局所診:天牖LR、翳明LR 腰背診:L3,4,5,が狭小 |
患者は12月はじめにフルマラソンを完走しました。
その頃からハムストリングが硬くなったのですがなかなか改善されず来院。
全体を細かくチェックしていくなかで気になったことは、下腹部の緊張や腕橈骨筋の緊張でした。
その部分との関係性を診るために局所診をおこない舌診などで全体像を確認。
すると扁桃と瘀血との関係が深いということが明らかになってきました。
マラソンなど長時間走る人はどのような影響を体に受けるか。
調べたところによると、体温の上昇、腎臓への負担、過度のエネルギー生産、心臓と血流の変化、筋肉・関節の痛みなどがあるそうです。
また、歩幅が約1mの人は10kmで1万歩、フルマラソンで約4万歩も足に負担がかかります。
そして、慣性の法則(動いているものは動き続け、止まっているものはその場に留まり続ける)を考えても、走っている人は前に出した足が着地する時に足と地面に力が働きます。
その力は足を出して着地した場所からヘソ下に向かって働くため、歩数という負担だけではなく見えない負担が体に蓄積されるのです。
話を戻ります。
今回の施術においてのポイントとして扁桃と瘀血があげられますが、扁桃脆弱化のきっかけとして、寒暖の急激な変化など物理的ストレス、筋肉や関節への負担などによる肉体的ストレスが影響。
足から受ける身体への負担からくる出血、血管壁への負担、血球成分の変化、血流の変化なども含めて考える必要があります。
これらの推測から扁桃・瘀血処置をおこない本来の状態に戻すことでハムストリングの回復を促します。
施術後、ハムストリングの緊張は取れて足の動きは変わりました。
次回以降は事故で受けた足の負担を改善し、大腿前面の緊張を取ることで全体のバランスをとります。
スポーツ障害でお困りの方は一度ご来院ください。
自分では気づいていない本来のパフォーマンスを発揮できますよ。