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2024年1月16日

頭痛

頭痛の女性

はじめに(鍼灸の適応疾患について)

鍼灸院への来院動機は「肩こり」「腰痛」といった日常病が多いのですが、ほとんどの方が何に対して効果があるのか分からないと口にします。

また鍼灸が高齢の方を対象にしたものであったり、寝違いやぎっくり腰の時に受けるものだと思っている方も少なくありません。

そのため今後は「鍼灸が何に対して有効なのか」「何が適応なのか」について紹介していこうと思います。

さて、早速ですが鍼灸の適応疾患は1979年に世界保健機構にて43疾患を発表しています。(次に掲げる疾患に鍼灸治療が適応であることを認めています)。

鍼灸院の日常病
1位 腰痛
2位 肩こり
3位 膝痛
4位 頚腕痛
5位 肩関節痛
6位 下肢痛
7位 不定愁訴
8位 スポーツ障害
9位 健康管理
10位 頭痛

参考資料:医道の日本社「病歴を聴くと治療がわわかる」 小出良子・山口功

このことからも分かるように鍼灸院への来院動機として「頭痛」は日常病です。
鍼灸の教科書や専門書にも「頭痛」については多くまとめられており、当院でも多くの方が来院されます。では、ここからは頭痛について紹介させていただきたいと思います。

頭痛の概要

これまでに頭痛を1度も経験したことがないという人はまずいないでしょう。男性の91%、女性の96%に、少なくとも1年に1回は何らかの頭痛が生じるという報告があります。

病院やクリニックに頭痛を主訴として受診する患者も実に多いものです。
頭痛の分類として一次性頭痛は、いわゆる頭痛持ちの頭痛。原因となる基礎疾患はありません。

15歳以上の男女4029人を対象とした全国調査によると、片頭痛が8.4%、緊張型頭痛が22.3%あったそうです。すなわち、日本には緊張型頭痛が2200万人、片頭痛が840万人いるということになります。

一方、片眼の激しい痛みで表現される群発頭痛は1000人に1人いるかいないかの割合です。一次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の他にもいくつかの病態があるが以外に知られていない。それぞれの特徴があるので知っておくと頭痛の鑑別に有用です。

二次性頭痛には、何らかの基礎疾患や原因となる病態から生じる頭痛であります。原因によっては緊急を要するものであったり、診断を誤ると重篤な状態に陥ったりするものです。

ICHD-Ⅱでは、頭痛の原因により8グループに分類されている。二次性頭痛では原因の除去が重要となります。
頭部神経痛・中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛は、三叉神経、中間神経、舌咽神経、迷走神経あるいは後頭神経に、圧迫や捻転などの負荷がかかったり、寒冷などの刺激が加わったりすると、神経支配領域に刺痛または持続痛を生じます。

神経痛の正体は末梢神経の放電現象であり、ピリッとする電撃的な痛みで表現されます。神経終末から放出される神経伝達物質は連続放電では1分間で枯渇するので、神経痛による痛みは1分間以上は続きません。

そして一定の時間間欠期が続いたあと、再び痛みが現れる、ということを繰り返します。とても寒い場所で帽子をかぶらずにいるなど、低温環境に頭部がさらされると頭全体の頭痛が生じます。またかき氷などを食べたり冷たい空気を吸ったりしたときに、短時間の頭痛が生じることがある(アイスクリーム頭痛)。その他、帯状疱疹により生じる頭痛または顔面痛もこのカテゴリーに含まれます。

診察

1)頭痛とは、頭部に限局する不快感ないし痛みの総称であり、深部痛または放散痛を発する。
2)原因:器質的疾患(脳腫瘍・髄膜炎など)や全身疾患(高血圧など)、精神的・社会的要因などさまざまであり、また、これらが混合して起こることもある。
3)鍼灸の対象:頭蓋外の原因によるもの(①筋緊張によるもの ②片頭痛 ③頭部外傷後頭痛(瘢痕性疼痛症候群) ④頚神経に由来するもの ⑤眼・鼻・歯・耳などに原因のあるものなど。
4)鍼灸の対象外:頭蓋内に器質的疾患(脳腫瘍、髄膜炎、クモ膜下出血など)

片頭痛
1)女性に多く、反復して起こり、加齢とともにその頻度が減少する。
2)遺伝的な関連が濃厚とされているが、真の原因は不明である。
3)症状:拍動性・反復性の慢性頭痛。多くは片側性。疲労、ストレスで誘発される。悪心・嘔吐・肩凝りなどの随伴症状があり、視力障害や閃輝暗点などの前駆症状がみられることもある。

筋収縮性(緊張性)頭痛
1)精神的ストレスが中心となり、側頭部、項頸部の筋が持続的に収縮することにより、循環障害を起こし、発痛物質を生じる。
2)頭部が締め付けられるような、後頭部に錘がぶら下がっているような不快な痛みを訴える。

群発性頭痛
1)周期的に突然に起こる激烈な片頭痛発作。
2)症状)1日に1~数回、数分~1時間持続し、数日から数週間続く。
鼻汁、流涙、顔面紅潮、嘔吐、側頭動脈拍動がみられる。

神経性頭痛
1)精神的な影響で起こるもので、常習性頭痛や筋緊張性頭痛なども包含される。
2)女性はこの型のものが多く、疲労や天候の変化などで発症する。
3)一般に、神経質で血圧の低い人に多い傾向がある。
4)症状:頭にものがかぶさっているような、あるいは、頭の中が空虚になったような感じがして痛むと訴える。


鍼灸の効果の良い症状

1)心身の疲労や天候の変化などによるもの
2)神経性頭痛や片頭痛など

鍼灸の効果の良くない症状

1)突然に起こる持続的な激しい痛み
2)間欠時にも痛みがあり、痛みの程度が進行性である

鍼灸治療について

1)頭蓋内や項頸部から肩背部の血流循環を良くし、筋緊張をほぐすことを目的とする。
2)体質、遺伝的要素が考えられる場合は全身調整をおこなう。
3)古典では、頭部の疼痛部位によって異常の経絡が配当されている。
4)眼精疲労や眼疾患より起こる場合は、眉間、こめかみ、側頭部、後頭部と症例により痛みを訴える部位に相違がある。このような場合は、肩凝りと眼精疲労を取り除けば、直ちに頭痛は解消されることが多い。
5)鼻疾患による頭痛は、眉間から前額部にかけての頭蓋の奥のほうで重だるい感じで痛み、頬部にまで放散することがある。このような場合は、症状を訴える箇所で、反応点を探して治療点とする。


鍼灸学校の学生に向けて

ここからは鍼灸学校に通う学生、初学者に向けて資料をまとめてあります。
参考になれば幸いです。

【日本文芸社 「万病にきくお灸」 間中善雄・中村了介・堀越清三】

頭痛はいろいろな原因から起こるが、おおかた、この灸で軽快する。
〚天柱〛:「ぼんのくぼ」を中心に、左右へはかって一寸五分の位置。指でおさえてみて、後頭骨の下縁の下がわのところで、骨の硬さを感じない場所である。おさえると快い圧痛がある。
〚身柱〛:第三胸椎の下のくぼみ。俗称ちりけ。
〚三里〛:脛骨の外がわ、脛骨と筋肉との溝を下からなで上げてゆくと、膝関節の下がわで、指の突き当たるところがある。タテに筋がコリコリしているところ。

【医師薬出版株式会社 「鍼灸臨床マニュアル 第2版」 北村智・森川和宥】

前額部痛・眉間痛
①上星:前頭部痛に圧痛が現れる。前額部に向けて横刺してゆっくりと骨膜をこするように雀啄する。鍼響が印堂のほうへ向けば、数呼吸止めた後、抜鍼すれば痛みが緩解しやすい。
②天柱:印堂に向けて直刺し、頭の中心に鍼響を得ると効果的である。

側頭部痛
①頷厭・懸顱・懸釐:側頭部痛に速効。この部を走行している側頭動脈が攣縮しているので鎮静させるように刺激する。
刺入方向=頷厭の少し上方から懸顱まで透刺して、数回雀啄すると瞬時に鎮静する。
②和髎:こめかみ痛では、細い血管が怒張しているような硬結が触れられる。その硬結に当てるように鍼を刺入し、耳介および外皆に鍼響が広がるような刺激を与える。

頭頂痛
①前頂:頭頂痛の局所穴として有効。抑えるとブヨブヨしているので、百会に向かって横刺して、ブヨブヨ感が緩和するまで雀啄すると、鎮痛する。
②中封:頭頂痛に有効。前脛骨筋腱の後ろをくぐり抜けるように解谿に向けて刺入する。
③後谿:第5中手骨の掌側を三間に向けて3~5分直刺する。

後頭部痛
天柱・風池:後頭骨に沿わせるように刺入し、後頭部全体に広がるような鍼響を得るように刺激する。

頭重
陶道:頑固な頭痛有効。棘間に刺入し深部に鍼響が感じるように刺激する。

【医道の日本社 「鍼灸臨床医典」 間中善雄】

原因によって予後は異なるのは当然である。脳腫瘍の初期症状として起こることがあるが、次第に増悪増悪する。ただし多いものではない。脳疾患の症状として起こるものは他の症状を伴うから区別できる。
一般にいう頭痛持ちの治療で、着眼点は、身体のどこかに障害野が無いか、食餌の偏り、生活の不規、心身医学的要素(たとえば家庭の不和、職場の不快感等)が無いかお確かめ、できるだけこれを何とかよい方向にもってゆくことに協力することである。(と一口で言えば簡単だが一番難しいことである)

取穴
取穴の着眼は頭のどの部分に痛みを感ずるか。どこに圧痛点が著明にでているか。三つの陽経のうち太陽経、少陽経どれに関係が深いか。陽明経も、前額の神庭・頭維・曲鬢・翳風と、胃経、大腸経の末梢とを対比して観察すると関連性が深いことがわかる。
これと同時に対照経、例えば膀胱経に対しては腎経、胆経に対しては肝経、督脈に対しては下腹任脈の要穴を取穴する着眼が必要である。例えば、項部のの疼痛は難治なのは下腹部、任脈の関元、曲骨を刺激するというような反対刺激に切りかえる。上裁下担(上は一方下の双方)の取穴もよい。

風府・風池・外関・百会・前頂・太陽・合谷・陰陵泉・行間・三陰交・中脘・足三里

【医師薬出版株式会社 「神経ブロック・鍼療法」 細川豊史・石丸圭荘】

後頭神経刺鍼
大後頭神経は第2頸神経(C2)の後枝からなる混合神経で、主として知覚神経であるが、一部は深頸筋に運動枝を分枝する。頭半棘筋および僧帽筋腱を貫いて後頭動脈とともに上行し、外後頭隆起の上項線上で皮下に現れ、後頭部かた頭頂の皮膚知覚を支配する。また外後頭隆起の外方2.5㎝、上項線上で皮下に現れる大後頭神経走行部は、経穴:天柱が一致する。天柱ブロック点などとも呼ばれるトリガーポイントである。
小後頭神経は第2・3頚神経の前枝からなる知覚枝である。胸鎖乳突筋の後縁を上向し、後頭で大後頭神経と大耳介神経の間で皮下に現れ、耳介の後部および後頭の皮膚に分布する。このため絞扼を受けやすく、筋・筋膜・神経血流の改善を目的に後頭神経の近傍に刺鍼する。

適応
後頭神経痛、筋緊張性頭痛、外傷性頸部症候群

後頭神経刺鍼の実際
腹臥位をとらせ胸の下に枕をいれ、頸部をやや前屈位とする。大後頭神経刺鍼では、ブロック点とも一致する外後頭隆起の外方2.5㎝の経穴:風池(外後頭隆起の外方5㎝)に刺鍼する。刺鍼は上項線に沿って直刺で2㎝程度刺入する。
症状が両枝に波及して後頚筋の緊張が激しい場合は、天柱-風池の鍼通電が効果的である。
※40㎜・16~20号鍼(鍼長40㎜・鍼径0.16~0.20㎜)、鍼通電をおこなう場合は、18号鍼以上を使用して周波数(1~5Hz)で10分程度通電する。

【人民衛生出版 「中國蜂針療法」 房柱・張碧秋】

風寒頭痛
主穴:風府・大椎

痰湿頭痛
主穴:豊隆・陰陵泉

肝陽頭痛
主穴:太衝・太谿

気血虚頭痛
足三里・三陰交・肝兪・脾兪

配穴
前頭痛(陽明経)配合谷・攅竹・印堂
側頭痛(少陽経)配外関・太陽・陰陵泉
後頭痛(太陽経)配風池・委中
頭頂痛(厥陰経)配百会・湧泉

まとめ

頭痛はさまざまな要因により発症します。
そのため頭痛の原因を細かくチェックする必要があるでしょう。
鍼灸を受ける方にとっては、鍼灸の方法や選択がご理解いただけたことかと思いますがこの情報はあくまでもごく一部です。
さまざまな流派や考えがあり、治癒改善に向けて鍼灸師はあなたの頭痛に治療をおこないます。

しかし、あなたに合う鍼灸院を見つけるのは非常に困難でもあります。
そのためこれから鍼灸を受けることを考えている方はホームページなどで鍼灸院の特徴をチェックしてください。
その際に以下の点を参考にしてみてはいかがでしょうか?

・短時間の治療を求めるのか、長時間の治療を求めるのか。
・鍼を沢山刺して欲しいのか、鍼の本数は少ない方が良いのか。
・鍼灸の刺激は少ない方が良い、刺激が多い方が受けている気がする。
・治療を求めているのか、リラックスを求めているのか。
・金額は安価なもの、健康保険が使える治療院、高くても気にならないか。
・現代医学に基づいたもの、古典的なもの、中医学。
・栄養学のアドバイスが欲しい、運動法を知りたい、話しを聞いて欲しい。
・1回で効果を期待している、継続してしっかり良くしたい。

これらは1つのチェック項目に過ぎません。
自分にあう鍼灸院をみつけて、日常に鍼灸を取り入れてみてください。
あなたの日常を豊かにするものでしょう。

鍼灸学校に通う学生の方は、上記の経穴は情報としてのものであり全てではありません。
目の前にいる方から情報を集めて、治療を「計画」「実行」「評価」「改善」そして「計画」が必要です。
その情報を集めるためには話しやすい環境、問いかけ方が必要であり、それを考察して、まとめ、治療は治ることがゴールかもしれませんが、そこにいたるまでのプロセスを大切にしましょう。
気温、湿度、音楽、足音、触れ方、タオルのかけ方や外し方、光の加減、鍼の刺激、声のボリューム、間合い、次回の来院計画などの理由や説明など。鍼灸師にとって臨床で求められるものは総合的なものです。

「鍼が刺せる」ということは国家資格を有する、はり師・きゅう師にとっては当たり前のことです。
治療費をもらい治療をおこなうということに対してより意識を向けなければ鍼灸の未来は明るくありません。

ぜひプロとして臨床の場に立ち、鍼灸を未来に残しましょう。

参考資料:
医道の日本社 「月刊医道の日本」 2009年6月号 危険な頭痛を見逃さないために 名古屋大学医学部付属病院総合診療部副部長・講師 佐藤寿一